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【清水 vs FC東京】新キャプテン兼選手会長・金子翔太。責任感が増す中で、エゴも大切に

2020年2月22日(土)


今季は社長、GM、監督が全員交代し、チームの象徴であるエンブレムやロゴもデザイン変更するなど、クラブとしてかつてないほど大きな改革を進めている清水エスパルス。新たに起用した監督に関しても、昨季のリーグ最多失点(69点)を立て直すために守備重視の監督を選ぶかと思いきや、真逆の選択をした。
昨年Jリーグでもっとも攻撃的なサッカーを展開した王者・横浜FMで、ポステコグルー監督と共に先進的なスタイルを築き上げたピーター クラモフスキー コーチを、監督として招聘したのだ。クラモフスキー監督は、U-17オーストラリア代表の監督を務めた経験はあるが、クラブチームの監督は初めて。サッカーのスタイル的に180度と言って良いほどの方向転換を図るという意味でも、かなり冒険的な改革を進めている。

そんな中で迎えるJ1リーグ開幕戦は、今季の練習が始動してからちょうど40日目。チームとしてまだまだ発展途上、言い方を変えれば未完成な中で、生まれ変わったオレンジ軍団がどんな戦いを見せるのかという部分が最大の見どころと言える。
その点について、今季はキャプテンと選手会長という2役を任された金子翔太に話を聞いた。(今季のキャプテンは、竹内涼と立田悠悟と3人体制で務める)

「ルヴァンカップの川崎F戦(2/16)のときに、僕は(チームの完成度が)2~3割と言ったんですけど、悪い意味で言ったわけじゃなくて、ここからもっともっと完成度が上がっていくよという楽しみの意味です。サポーターの方は『今この時点で2~3割って、開幕前に大丈夫?』と思った方もいると思うんですけど、僕の中では本当に楽しみなんです。ピーターさん(クラモフスキー監督)の戦術は、深いし、やればやるほど良くなってくるし、このポゼッションスタイル、現代的なムービングフットボールという中には、いろんな要素が詰まっていると思うので」(金子)

その「楽しみ」の詳細については、次のように語る。
「攻撃パターンが多くて、いろんな角度、いろんなポジションから攻撃ができそうなんですよね。去年までは正直リアクションサッカーが主体で個人の能力に頼った部分もありましたが、今年は攻守にわたって意図的にやっていけるかなと。とくに攻撃のビルドアップに関しては、意図的にポジションをとって配置して、相手がこうだからこうという原則みたいなものを落とし込んでくれているので、あとはその完成度を高めていくだけだと思っています」(金子)

実際に、良い形の連携でシュートや得点につなげるシーンは川崎F戦でも見られ、練習でも着実に増えてきている。現時点での完成度が低くても、「やればやるほど良くなっていく」という感触を得られていることが、選手たちの前向きさにもつながっている。そのため、川崎Fに1-5で敗れても、新しい戦術を疑う意識は一切見られないのが心強い。

金子自身は元々責任感が非常に強い選手なので、キャプテンになったことで責任感はさらに増しているが、その中でも今季は強くこだわっている部分がある。
「キャプテンという役目をいただいたことで、ひとつひとつの行動にこだわるとか、責任を持つという意識はより強くなりました。ただ、その中でも個人のところ、自分自身のプレーにもっとフォーカスしなければいけないと思っています。今までもチームのことをかなり考えていたんですけど、逆に自分にフォーカスする割合が足りなかったと思うので」(金子)

一昨年は10ゴール、7アシストという大きな結果を残した金子が、昨年は1ゴール、5アシスト。チームがなかなか結果を出せない中で「周りのことに気を使いすぎていた面もありました」(金子)というところも影響して、個人として本来の力を出し切れていない面があった。昨季も右サイドハーフが主戦場だったが、その後ろに攻撃的な右サイドバック、エウシーニョが入り、彼のカバーも含めて守備面に非常に気を使い、前に行ききれない面も見られたことは否めない。
だからこそ、今年は良い意味でのエゴイズムを出していこうとしている。
「昨年もサポーターの方から『ゴールを見たい』という声をたくさんいただきました。サポーターも、何より僕自身もそれを欲しているし、個人個人が結果を出すことがチームのためになるので、この1年自分にフォーカスしてやりたいなと思っています」(金子)

だからといって、金子がチームプレーを捨てるという心配は無用だ。チームが勝つために戦うという責任感は、彼の身体の奥深くまで染みついている。その証拠に、彼は次のような発言でインタビューを締めくくってくれた。

「(0-2で負けていた)川崎F戦のハーフタイムで監督に言われたのは、球際やセカンドボール、走るといった根本的なハードワークの部分でした。今までエスパルスが大事にしていた部分が、逆におろそかになっていたと。開幕戦でも正直まだ(戦術的な)完成度は低いと思いますが、だからこそ走るとか球際で勝つという部分が大事になると思います。僕はキャプテンという立場で人一倍球際に行かないといけないし、走らないといけないし、セカンドボールを拾ってチームの流れを良くしたりという部分を徹底してやりたいと思います」(金子)

もちろん、戦術的な完成度も日々向上している。たとえば、川崎F戦からイージーにボールを失う回数を減らすだけでも「かなり変わると思います」と金子は言う。新しい戦術を形にするうえで大前提となるハードワークをチーム全体で全うしたうえで、ポゼッションや攻め崩しの質を高め、金子をはじめ個人個人が持ち味を発揮していくことによって、どんなサッカーが見られるのか。
強豪・FC東京との対戦で安易に楽観的なことは言えないが、清水のチームとしての姿勢や信念を見るという意味では、非常に楽しみな開幕戦となることは間違いないだろう。

文:前島芳雄(清水担当)


明治安田生命J1リーグ 第1節
2月23日(日)13:00KO アイスタ
清水エスパルス vs FC東京
IAIスタジアム日本平(清水エスパルス)
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